占星術(せんせいじゅつ)と聞いて何を思い浮かべますか?
一番多い回答は12星座を使った「星占い」ではないでしょうか。
星座がどんなものか知らなくても、自分の誕生日がどの星座に当てはまるのかご存じの方がほとんどのはず。
西洋占星術はその名の通り、バビロニアやギリシアといった西洋世界で誕生し、今では全世界で取り入れられている考え方・技術です。
基本は太陽・月・惑星といった天体が地上の物事に与える影響を理解することにあります。ですから、古くから天文学と並列して語られてきた分野でもあるのです。
広く多くの人に支持されている占いとはいえ、日本ではまだまだ謎に包まれた存在ですよね。
そこで今回の記事では西洋占星術とはどんなものか、どういった魅力があるのかについて徹底解説しています!
西洋占星術の歴史とホロスコープ
西洋占星術はもともと古代人が天候を予想したり、河川の氾濫や作物の成長時期などを知るために始めた学問分野でした。
その時代の人々は長年の地道な天文学の研究で、天体の動きと地上で起こる出来事には関連があることを見出しました。
そこで、天体の動きと地上の出来事の両方を詳細に記録することを通じ、占星術が学問として体系化されたのです。こうした理由で、占星術は統計学の一種でもあると考えられることもあります。
占星術の中でも重要な役割をもつホロスコープ。
ホロスコープは観測対象の天体がある日付・時刻にどの位置にあるかを描き出し、その影響を解釈するものです。「星位図」とも表現されます。
ホロスコープが本格的に使われ始めたのが、アレクサンドロス大王の東方遠征を通じてギリシャとオリエントの文化が融合してできたヘレニズム文化。
「ホロスコープ」という名称の由来は「アセンダント」(出生時の東の空を表す)がギリシャ語で「ホロスコポス」と呼ばれていたことによります。
ギリシャがローマ帝国の支配下に入ったあとに細々と発展を続け、プトレマイオス(天文学者)が登場して「惑星」(太陽と月も)、「ハウス」、「十二宮」などの知識が整理されて体系化されたとされています。
その後、4000年以上の間、様々な宗教的・政治的な変動を経てもなお、ホロスコープを使った分析は世界中で支持されています。
ホロスコープの使われ方
それでは、実際にホロスコープを使ってどのように占いをするのでしょうか?
出生時刻・位置などからホロスコープを描き出します。最近はネットで「ホロスコープ」で検索すれば簡単に計算できるサイトが出てきますよ!
ホロスコープがわかったら以下の3要素をみます。
星座(サイン) × 天体 × ハウス
それぞれどんなものかというと、
星座(サイン)・・・心の状態
天体・・・欲求
ハウス・・・場所
これらの組み合わせを知ることで、その人の特性や性質を把握し、それを解釈することで自分自身・将来・環境と向き合うきっかけになります。
占いでありがちな「合っている」「外れている」という視点ではなくて、今までにない考え方を得たり、もともと無意識では知っていたこと(潜在意識といいます)をちゃんと理解する手助けをしてくれるのです!
ホロスコープは出生時間または占いたい日時・場所の情報から正確な天体の位置を割り出し、その配置から分析を行う技法です。
このように科学的な知識がふんだんに取り入れられているのが西洋占星術なのです。
西洋占星術の役割と魅力
西洋占星術にも多くの批判があるのは事実です。ただの統計学にすぎず、しかも登場してから膨大な年月が経過しているために現代社会には合わないとする意見もあります 。
ですが一方で、いまだ多くの知識人に愛されている技術でもあります。著名人や文化人でも西洋占星術の魅力に魅せられた人はたくさんいます。アメリカのレーガン元大統領夫人は、大統領の日程調整にホロスコープを採用していたとか。
情報化社会になり中世・近代とは比べ物にならないくらい複雑化した世界で、いまを生きている人の人生って不確定要素が大きいですよね。
西洋占星術とホロスコープは、「気付いていなかった自分の真の価値」を認めることで、今後の人生をどうしていくかを考えるきっかけになるツールです。
気になった方はぜひいろいろ調べてみてくださいね。面白い世界ですよ!